がん治療薬を効率的に取り込ませる微小粒子

2015年3月6日(金) Written by 吉川 佳秀

大阪大の研究グループが、がんに薬を効率的に取り込ませる10ナノメートル(ナノは10億分の1)の微小粒子の開発に成功したと4日に発表しました。細胞死を引き起こすRNA(リボ核酸)の一種を使った実験で、副作用なくマウスのがんの増殖を抑えられたということです。この研究に関する論文は5日、米国のオンライン科学誌プロスワンに掲載されるそうです。

RNAの一種「siRNA」は特定の遺伝子を働かないようにでき、新世代の抗がん剤として注目されています。しかし、血中では分解されやすいために注射では使用することができず、がん細胞まで運ぶ方法の開発が求められていました。また、これまで開発された粒子は大きさの面から、運ぶ効率が悪かったという課題があったそうです。

阪大の山本浩文准教授(消化器外科学)らのグループは、siRNAにカルシウムとリン酸、炭酸を混ぜて塊にし、超音波で砕いて10ナノの球状の粒子にすることに成功したとのことです。血中で分解されにくくなり、がん細胞が増殖しているマウスに週3回注射すると、18日目には、がんの大きさが従来の方法の3分の1に抑えられたそうです。

山本准教授によると、がんの近くの血管は、壁に隙間(すきま)が多く、微小粒子が漏れ出てがんに達しやすいそうです。研究グループは、効率のよさから、粒子を「スーパーアパタイト」と名付けています。山本准教授は「大型動物や人でも使えるか調べる必要がある」と話しています。

参考:毎日新聞
http://mainichi.jp/select/news/20150305k0000m040139000c.html

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