乳がんの薬物療法(化学療法・分子標的薬)

2013年7月31日(水) Written by 高橋 義人

乳がんの治療に用いられる薬(抗がん剤)は、大きくホルモン療法、化学療法、分子標的療法の3種類に大別され、それぞれのがんの性質や病状によって使い分けられています。抗がん剤の副作用は薬の種類によって異なります。また副作用は治療を受ける人それぞれに出方の違いがあり、個人差があります。抗がん剤治療を受ける場合には、抗がん剤の目的、期待される治療効果、予想される副作用とその対策などについて十分な説明を受け、理解することが大切です。

化学療法

化学療法は、細胞分裂のいろいろな段階に働きかけてがん細胞を死滅させる効果があります。乳がんは、比較的化学療法に反応しやすいがんです。化学療法はがん細胞を死滅させる一方で、がん細胞以外の骨髄細胞、消化管の粘膜細胞、毛根細胞、末梢神経細胞などの正常細胞にも作用し、白血球・血小板の減少、吐気や食欲低下、脱毛、手足のしびれ、体の痛みなどの副作用があらわれます。

乳がんの治療に用いられる化学療法の薬剤には注射薬や内服薬があります。使用する薬剤やその投与方法によって副作用の特性やその頻度などは異なりますので、事前にそれらをよく説明し心構えをしておくことが大切です。

分子標的療法

がんが大きくなったり転移したりする生物学的なメカニズムの鍵となる分子を狙いうちする治療を、「分子標的療法」といいます。乳がんのうち20%~30%は、乳がん細胞の表面にHER2タンパクと呼ばれるタンパク質をたくさん持っており、このHER2タンパクは乳がんの増殖に関与していると考えられています。トラスツズマブ(商品名:ハーセプチン)やラパチニブ(商品名:タイケルブ)はHER2を狙いうちした治療法(分子標的療法)で、HER2タンパクあるいはHER2遺伝子を過剰に持っている乳がんに効果を発揮します。

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