乳がんの治療

2013年7月17日(水) Written by 高橋 義人

乳がんの治療は、一般的には病期に応じて、外科手術・放射線治療・抗がん剤治療を組み合わせて行います。これを「集学的治療」と呼びます。

乳がんのがん細胞は、比較的小さい時期から乳腺組織からこぼれ落ち、リンパや血管の流れに乗って乳腺から離れた臓器(肺・肝臓・骨など)に小さな転移巣を形作ると考えられています。手術で肉眼的にがんを取り除いても、微小な転移巣が残れば、それが徐々に大きくなって症状を出してきたり、検査で検出されたりするようになります。そのため乳がんが発見された時点で明らかな遠隔転移がない場合でも、再発の危険が高い場合には乳腺の領域に対する治療(局所療法)、すなわち手術や放射線治療だけでなく、再発の危険性や年齢、がんの性質に応じた全身治療、すなわち抗がん剤治療を行うことが勧められています。全身再発の危険性を予測する指標を「予後因子」といいます。乳がんの予後因子には腋窩リンパ節(腋の下のリンパ節)への転移の個数・年齢・腫瘍の大きさ・組織学的異型度・ホルモン受容体の有無などがあります。

乳房の領域外の臓器に明らかな転移を有するがんを総称して「転移性乳がん」と呼びます。乳房にがんが見つかった時点で、すでに遠隔転移を有する場合と区別して、手術などの初期治療を終えた後に発見される場合を「再発乳がん」と呼びます。転移性乳がんは、がんがからだ全身に広がっている状態であるので、抗がん剤による全身療法が原則となります。ただし手術をした乳房の領域での再発は「局所再発」と呼んで区別され、手術や放射線による局所療法を積極的に行う場合もあります。

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