「 その他 」 の記事一覧


がんの「5年生存率」とは?

2015年1月15日(木) Written by 吉川 佳秀

2014年9月に国立がん研究センターが、胃がんや肺がんなどの「5年生存率」を検索できる新しいシステムをウェブサイト(https://kapweb.chiba-cancer-registry.org/)で公開しました。

がんの5年生存率とは、がんと診断されてから5年間生きている人の割合のことです。5年生存率が30%の場合、がんと診断された100人のうち30人が5年後も生きており、70人は亡くなっているという意味となります。もちろん、がんの種類によって5年生存率は異なります。

同センターが今回公開したシステムでは、1997~2005年に新たにがんと診断された約30万人分のデータを集計したもので、全国がん(成人病)センター協議会に加盟するがん専門診療施設で診断され、入院治療を受けたがん患者が対象となっているそうです。今から10年以上前に診断された患者の情報を集計した情報ですので、当時と今とでは、診断技術も治療技術も違います。現在は医療の進歩により、さらに治療成績は向上していると考えられます。治療成績の向上のほかに、早期発見の影響もあります。例えば、がん検診でがんが発見された場合、5年生存率の数値は高まります。

5年生存率の値は、集計対象者の年齢や性別の影響を受けますので(例えば、集計対象者に高齢者が多かった場合、がん以外の原因で亡くなる方が多くなるため、単純計算した5年生存率の値は低くなります)、5年相対生存率で示されます。5年相対生存率とは、生存率に影響を与える要素を補正した値のことで、「がんと診断された人のうち5年後に生存している人の割合が、日本人全体で5年後に生存している人の割合に比べてどのくらい低いか」を示しています。

また、5年生存率は、大勢の患者のデータを集計した平均的な数値ですが、ほとんどの人にとって、その中に自分自身は含まれていません。5年生存率の数値が高くても低くても、自分自身の5年後を予測してるわけではないということです。5年生存率30%であっても、悲観的にならず30%の側になるために担当の医師と相談して、最善の治療選択をしていただければと思います。

参考:日経Goodayセレクション
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO81008760X11C14A2000000/

再発大腸がんの再発パターン

2012年12月17日(月) Written by 石橋 大

大腸がんの再発は、がんがもともとあった部位の近くに起きる局所再発、がんから転移しやすいリンパ節に転移するリンパ節再発、がん細胞が血管に侵入して起こる肝臓や肺、骨、脳など大腸とは別の臓器への転移、おなかの中で種を播いたようにがんを発症する腹膜播種(ふくまくはしゅ)が主なものです。また、遠く離れたリンパ節に再発する場合は遠隔リンパ節再発と呼ばれます。肝臓や肺、骨、脳や腹膜播種、遠隔リンパ節再発はもともとあったがんから遠くに再発するので遠隔転移と言われます。

また直腸がんと結腸がんでは再発のパターンも少し異なってきます。結腸がんは結腸がおなかの中の広い空間にあるために、手術時にがんの切除範囲を十分に広くすることが容易にできます。ですので、再発する場合でも局所再発は比較的少なく、肝転移のような遠隔転移が多いと言われています。一方、直腸は固い骨盤が直腸を取り囲んでいるために直腸がんの手術時にがんの周囲の組織を十分に広く切除することが難しい時があります。そのために局所にがん細胞が残って、局所再発を起こす場合があります。そのため直腸がんの再発では局所再発が40%と局所再発の比率が結腸がんに比べて高くなっています。

大腸がん

再発しやすいがん

2012年12月3日(月) Written by 石橋 大

食道がんや肝臓がんは、「早期に転移しやすいがん」の項でお話した状況と違う意味で再発しやすいがんとされています。

血管が網の目のように広がる肝臓内では、がんは転移しやすく、それが見過ごされると後に再発することになります。しかし、再発のより大きな原因は、肝臓がん患者のほとんどが肝炎ウィルスに感染していることにあります。手術でがんを取り除いても肝炎ウィルスにより、肝臓ががんになりやすい状態(2次がん)が残っているからです。2次がんは厳密には再発ではないですが、肝臓がんの場合は、再発と2次がんを見極めることは難しく、二次がんであっても再発と呼ばれます。

また、食道がんも、広範囲のリンパ節転移や食道内のスキップ転移を起こしやすく、再発しやすいがんです。さらに、食道がんの発生は継続的な飲酒と喫煙がおもな原因となっています。この生活習慣によって患者の食道組織ががん化しやすい状態になっていますので、肝臓がんと同じく食道がんも2次がんを発生しやすいのです。

また、最初の治療もがんの再発率に関係してきます。QOLを考えて切除を最小限にした場合にも、再発率は高くなる可能性があります。

早期に転移しやすいがんとは?

早期に転移しやすいがんとは?

2012年11月22日(木) Written by 石橋 大

がんの性質はがんそれぞれに異なっています。早いうちから転移や浸潤を始めるがんもあれば、ゆっくりと成長し、あまり転移しないがんもあります。

では早いうちから転移しやすいがんにはどのようなものがあるのでしょうか。

乳がん、骨肉腫、悪性黒色腫(メラノーマ)などがそうです。また、周囲の組織に浸潤しやすいがんとしては、卵巣がんやスキルスが知られています。特に卵巣がんは卵巣だけにとどまることはまず無く、早い段階で子宮に広がり、さらに進行すると大腸などにも転移します。

また、転移や浸潤が早く始まるがんは、一般的に再発もしやすいと言えるようです。と言うのも、再発は多くの場合、他の臓器やリンパ節に転移または浸潤したがん細胞が、治療後に患者の体内に残ってしまったときに起こるからです。そこで、転移や浸潤しやすいがんの場合は補助療法を行って、がん細胞が残らないようにします。補助療法が大きな効果を発揮するがんには、乳がんや骨肉腫などがあります。これらのがんはかつては再発の多いがんでしたが、現在では進行度にもよりますが、再発を予防することが可能になってます。

がんの再発予防

がんは何故再発するのか?

2012年11月21日(水) Written by 石橋 大

がんは完治が難しい病気といわれます。と言うのもがんは治ったように見えても再発する可能性があるからです。

再発の理由としては、主に3つの理由があります。

第一は、治療後にもわずかながん細胞が残っていた場合です。手術の際に目に見えるがん細胞を全て取ったとしても、見えないがん細胞が残ってしまったり、すでに他の臓器に転移している場合などは、その残されたがん細胞が増殖して、がんとして成長をはじめる場合があります。

第二は、ひとたびがんを発症した患者さんは、例えがんの除去に成功しても「がんになりやすい状態」の身体そのもは変わっていないためです。どういうことでしょうか。がんはいくつかの遺伝子の変異が積み重なって発生する病気です。一方で、がんを発症した方の身体の中には、がんが出来たところ以外のところにも遺伝子の変異が生じている可能性があります。それゆえに再発の可能性が高いと言えるのです。

第三は、がん治療の過程で抗がん剤治療や放射線治療を受けたことが、がん発症の原因になり得るからです。放射線や抗がん剤の多くは、DNAを傷つけることによってがん細胞を殺します。しかしこの治療法では正常細胞の一部も遺伝子が傷つけられてしまい、その細胞ががん化することがあるのです。

がんの再発は治療後2~3年以内に起こることが多く、一般には遅くても5年以内に再発すると言われています。しかしながらがんの種類によっては10年以上経ってから再発する例もあります。一般には5年で治癒と言われていますが、5年経過しても定期的な検査は大事です。

がんの再発予防

 

がんの再発予防

2012年11月20日(火) Written by 石橋 大

がんは早期発見なら治療できるようになりました。しかしながら怖いのは再発です。再発にも色々ありますが、やはり怖いのは遠隔転移です。では再発・転移を防ぐにはどうすればよいのでしょうか?

まずはじめに、なぜがんは再発・転移するのかをお話しします。がん細胞は増殖しながら周囲の組織に浸潤し広がっていく性質を持っています。さらに血管壁を溶かす働きを持つようになったがん細胞は、血液の流れに乗り、他の組織や臓器に運ばれていきます。運ばれたがん細胞が、別の臓器の血管内に着床し、その後増殖を始めるのが遠隔転移です。

がんは原発巣のがんを完全に切除した時点ですでに7割の患者さんに切除した場所や遠隔の臓器に微小な転移があるとされています。しかしながら人間には免疫機能が備わっているので、それら微小ながんがすべて着床し、成長するのではありません。1万個程度のがん細胞であれば免疫が抑え込んで消失させる可能性があります。そこで、がん細胞が小さいこの時点で抗がん剤やホルモン剤などによる補助療法を行い、目に見えないがん細胞をたたくことが大切だと言われています。補助療法には治療法の確立していないものもありますが、抗がん剤が効きやすいがんや早期発見の場合のがんにはガイドラインで推奨している治療法があります。膵がんのゲムシタビンや前立腺がんや乳がんのホルモン療法等々があります。

一方では免疫機能ががん細胞を抑え込めるように、免疫力の強化も行えれば更に良い結果が期待できるのではないでしょうか。

早期に転移しやすいがん

がんは何故再発するのか

pagetop